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宿敵、スペシャルウイークとの激突、最後の有馬記念での騎手も間違うほどの大接戦。これらすべてのレースが納められています。鞍上には、的場均がいました。きりっととした姿が、グラスワンダーの走りに似合っていました。
最後のレースとなった、２０００年の宝塚記念で、雨の降る中、一頭ポツンと競馬場をじっと見ているグラスワンダーの姿が印象的です。
彼の本当のパフォーマンスを見てみたかった・・・。
3連勝で迎えた朝日杯3歳Ｓは、圧倒的なパフォーマンスを見せてのレコード勝ち。競馬に絶対があるとすれば、このときだけであっただろう。しかし、3歳(旧4歳)を迎えて、無念の骨折リタイア。
復活に手間どいながらも、8分の出来で3歳で制した有馬記念は、彼の能力の高さをあらためて証明した。そして、ライバル「スペシャルウイーク」を物凄い鬼脚で差しきった宝塚記念、結果的には彼の最高のパフォーマンスとなった。そして、故障に泣かされた秋シーズン、体調不十分ながらも、またもやスペシャル、そして翌年の年度代表馬「テイエムオペラオー」をも退け、グランプリ3連覇。
翌年の5歳シーズン、エルコンドルパサーが成し遂げられなかった、「凱旋門賞」制覇の夢。しかし彼の肉体は既に悲鳴を挙げており、最後のグランプリ宝塚記念で無念の骨折引退。無事であったことが何よりだ。
結果的に、彼は100%の能力を発揮せずに引退した。
いったいどれほどの能力を備えていたのか、きっとその答えは生まれてくる産駒の活躍により証明されるであろう。
スーパードラマティックホース
ボクにとってのオグリキャップ。
ボクにとってのトウカイテイオー。
歴史的名馬に並ぶほどのスーパードラマティックホース。
この馬をリアルタイムで観れたことは、ボクにとって大切な思い出。
栄光と挫折。
奇跡の復活。
偉業の３連覇。
そして、完全燃焼後の終わり。
これだけ飾り気無しに、リアルなドラマ演出出来た馬は他にいない。