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迎え撃つサンパウロは二年連続のトヨタカップ出場。レオナルド、カフーらのスターに加えて当時３８歳「鉄人」トニーニョ・セレーゾがミランに立ちふさがる。スペインワールドカップの代表監督テレ・サンターナと、黄金の４人の一人トニーニョ・セレーゾ
試合は同点で迎えた後半４１分、信じられない形でゴールが決まってしまう…

グアルディオラからの美しい縦パスを受けたストイチコフが左足を振り抜けば、クライフの前で「クライフターン」を使い！フェレールを抜き去ったミューレルからのクロスをライーが捕らえる。そして結末は・・・・

クライフとテレの駆け引き、グラウンドに描かれる幾何学模様のパスの光跡、閃光のカウンターの煌き、ソリスト達の技芸・・・
Ｊリーグ開幕前夜に行われた「美の競演」。
中立地の日本で行われたゲームだったからこそ、両チームの芸術が輝いた。

試合後のクライフの言葉。
「車に轢かれるならフェラーリがいい」
元バルセロナで、当時グランパスに入団していたリネカーの言葉。
「エキサイティング。こんないい試合を見られてラッキーだった」

あの午後は忘れない。永遠に・・・
背番号「１０」の転換点
９０年前後、部活動における背番号「１０」は、特別な存在でした。
ボールを味方に配給し、時には自ら得点も決めて、試合を形作る。チームの大黒柱だったのです。

ところがこの試合、バルサでパスを配給してチームの起点となっていたのは、最後尾にいるクーマンであり、ストイチコフの得点をアシストしたのも、ボランチのグアルディオラ。バルサの１０番ビチュヘは、トップ下どころか、左サイドの選手でした。

トップ下が不用になり、試合の起点が中盤の低い位置になる。今にして思えば、「司令塔」という概念の転換点だったのかもしれません。

当時、私の中の１０番の理想像だったライー。鮮やかにゴールを決め、ＭＶＰも獲得しました。その２年後。Ｗ杯でボランチのドゥンガがトロフィーを掲げ、セレソンの１０番を着けたライーがベンチで決勝戦を見守ったのは、歴史の必然だったのでしょうか。
真の南米対欧州激突だ
「バルサが負けるわけないだろう？」
「テレ・サンターナが作ったチームが負けるわけない」

試合前から前評判が高く、実際に素晴らしい試合になったこの決戦はトヨタカップ史上稀に見る好ゲームだ。バルセロナにはクーマン、ストイチコフ、グァルディオラ…サンパウロには現在の鹿島監督であり黄金の４人の一人トニーニョ・セレーゾ、そしてその黄金の４人のソクラテスの実弟ライー、２００２ワールドカップでカップを受け取ったカフー。

　オランダが実践したトータルフットボールの凄まじさ、ペレが抜けたとはいえ何もできなかったブラジルの歯痒さが伝わってくる試合です。”フライング・ダッチマン”と言われたオランダの２点目はもちろん必見ですが、ぜひ一試合まるまる楽しんで欲しいＤＶＤです。クライフだけ注目してみても、いろんなポジションに顔を出しています。

　もともとオランダは好きなチームでしたが、このＤＶＤをみてクライフ好きになりました。
今見てもプレーのレベルが高いです。
サッカーはフランスW杯前後から好きになったにわかサッカーファンです。

最初、昔のプレーは、商業化が進み多くの人の目にさらされることでレベルの上がった現在とは比べ物にならないんだろうなー、という偏見持って見たのですが、そんなことありませんでした。選手個々のテクニックはもちろんのこと、全体的なチームプレーもスピードがあり、且つ意外性に飛んでいて、とても楽しく見ることができました。クライフ関連の本を読むことと併せて、このDVDを見ることをお勧めします。
トータルフットボール
　１９７４年ワールドカップ、２次リーグ、クライフ率いる「トータルフットボール」のオランダ対ディフェンディング・チャンピオン、ブラジルとの一戦。

　ポジションの枠にとらわれずに流動的な動きで攻めるオランダに対しペレ等が抜けて戦力ダウンした感が否めないブラジルは苦しめられる、ＤＦのシュールビア（20）が前線にいるかと思うと、ＦＷのクライフ（14）が最終ラインにいたりと、オランダは流れつづける…　ペレは試合を見るのに耐えきれず途中で席をたったという。